無心に手を動かすことを楽しみたいのである
チクチク刺繍するのが好きである。黙々と編むのも好きである。刺繍のために下絵を書いたり、編み図を解読するのが苦手なのである。もっとゆるい作業じゃダメなのかな。
なんて思っていたら2冊の本に出会った。
1冊目、「カンタ刺繍 そのモチーフと技法」
カンタ刺繍はインド・ベンガル地方の刺し子。使い古しの布を重ねて、ぐし縫いだけでモチーフを描き出し、布全面を補強するようにステッチで埋め尽くす。完成図も下絵もなしに心の赴くままチクチクするのだという。
この本には著者である望月真里さんの作品と、彼女が集めた古いカンタ刺繍のコレクションが掲載されている。カンタ初心者の読者のための手ほどきも少々。
カンタ刺繍の点描画のようにみっしりと刺された糸が作る細かな凹凸は独特だ。ハードに使いまわす日用品をつくための技法なのだ。
2冊目「どこにもない編み物研究室」
こちらは編み物作家の横山起也さんと、同じく編み物に卓越した方々との対談形式でまとめられている。日本に手芸が根付いていく歴史が当時の資料とともに語られる章は興味深かった。
私が初心者すぎてよくわからないところもあるのだけれど、それでも基本に囚われすぎず、自分のやり方が見つかったらそのまま進んでいいんだと思った。
もっとも囚われるほどの基本は身についてないんだった。
この本はもう少し編み物がわかるようになってから、また読んで見たようかな。
刺繍と編み物で脳活
カンタ刺繍の本を読んで、古いシーツや古着を再利用を思い描いてみたりする。
編み物は一本の糸が絡み合って変幻自在な形を作ること自体が面白い。あっちにこんな風に編みつけたらどうなるんだろうかと、つい余計なことを考えている。
良い脳活になってるってことかな。